自転車事故の重大さが一般的にも認知されるようになったためか、各地の条例で自転車保険の加入を義務付けたりされるようになりました。大阪府でも、自転車に関する交通の安全を確保し、自転車を適正に利用することを促進するなどして、自転車の利用による交通事故を防ぎ、被害者の保護を図るために「大阪府自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が定められています。
大阪府のホームページにも説明があります(http://www.pref.osaka.lg.jp/dorokankyo/osakajitensha/)。
条例自体は、平成28年4月1日に施行されていましたが、保険に関する項目が平成28年7月1日に施行されます。
1 平成28年7月1日施行の保険に関する項目
自転車に関する保険に加入しなかったとしても罰則は定められていませんが、条例の12条では、対象者が、自動車を利用する本人だけでなく、子供の保護者や事業者(但し、事業者は努力義務)も含まれます。また、条例の13条で、自転車の小売業者に保険の加入の確認や情報提供の努力義務を課すなどしています。
(1) 12条(自転車保険の加入の義務付け等)
1項 自転車利用者本人に対する義務付け
「自転車利用者は、自転車損害賠償保険等(自転車の利用に係る交通事故により生じた他人の生命又は身体の被害に係る損害を填補することができる保険又は共済をいう。以下同じ。)に加入しなければならない。ただし、当該自転車利用者以外の者により、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しているときは、この限りでない。」
2項 保護者に対する義務付け
「保護者は、その監護する未成年者が自転車を利用するときは、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該保護者以外の者により、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しているときは、この限りでない。」
3項 事業者に対して努力義務
「事業者は、その事業活動において従業者に自転車を利用させるときは、当該 自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入するよう努めなければならない。」
4項 大阪府等に対して、情報提供の努力義務
「府及び交通安全団体は、自転車損害賠償保険等に加入しようとする者の利便に資するため、相互の連携及び協力の下に、自転車損害賠償保険等の加入に関する情報を提供するよう努めなければならない。」
(2) 13条(自転車保険の加入の確認等)
1項 自転車小売業者に保険加入の確認の努力義務
「自転車小売業者は、自転車を販売するときは、当該自転車購入者に対し、自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等の加入の有無を確認するよう努めなければならない。」
2項 自転車小売業者に保険加入の情報提供の努力義務
「自転車小売業者は、前項の規定による確認により自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入していることを認めることができないときは、当該自転車購入者に対し、自転車損害賠償保険等の加入に関する情報を提供するよう努めなければならない。」
3項 自転車貸付業者に対する保険加入の努力義務
「自転車貸付業者は、自転車を借り受けようとする者に対し、自転車損害賠償保険等を付した自転車を貸し付けるよう努めなければならない。」
2 加入義務の対象となる自転車に関する保険
自転車による交通事故で被害者に怪我をさせてしまった場合、怪我の内容等の事情によっては損害額が巨額になることがありえます。ですので、条例での義務付けがあろうがなかろうが、保険には絶対加入すべきですが、自転車保険自体に加入しなくても他の保険の特約などでカバーされることがあります。自転車保険への加入を検討されている場合は、他の自分が入っている保険(自動車保険・火災保険・傷害保険の特約、共済、団体保険)などの内容を一度確認してみるのをおススメします。
(弁護士中村友彦)