相続の問題
死亡事故の場合、遺族の方が加害者に対して損害賠償の請求を行いますが、近親者固有の慰謝料(民法711)を除きますと、死亡された被害者が加害者に対して取得する損害賠償請求権を相続人が相続するとの法律上の構成になります。したがって、死亡された方が生まれてから死亡に至るまでの戸籍等を全て集めて法定相続人を確定する必要があります。
また、相続人の構成により法定相続分が異なってきます。
例えば、夫が死亡して妻と子供2人が相続人ですと、妻の相続分は1/2、子どもの相続分は各自1/4となり、この割合で加害者に請求することになります。
子どもがおらず、妻と両親が相続人ですと、妻が2/3、両親が計1/3の法定相続分となります。
子どもも両親もおらず、妻と夫の兄弟が相続人ですと、妻が3/4、兄弟姉妹が計1/4の法定相続分となります。
その他、先妻の子供がいる場合、他の相続人と付き合いがない場合、行方不明の相続人がいる場合など相続特有の問題があります。
このように相続について正確に理解する必要があるのです。
複数の共同相続人がいらっしゃる場合、他の相続人と共同歩調をとって加害者側と交渉することが望まれます。逸失利益を計算するためには被害者の収入の資料が必要ですが、他の相続人が持っているのなら、その方から貰わなければなりません。逆に、こちらで資料を持っている場合には、他の相続人の方から要請されることもあるでしょう。
日頃、お付き合いのない方と共同相続人になった方にとって、共同歩調をとること自体がストレスなのです。
当事務所は相続問題も取り扱っており、上記のような問題についても対応しますのでご安心ください。