損害保険料率算出機構
損害保険料率算出機構は、損害保険料率算出団体に関する法律に基づいて設立され、自動車保険及び自動車損害賠償責任保険に関する適正な保険料率の算定などを行っており、会員は損害保険会社で構成されています。非営利の民間の法人であり、あくまでも各自賠責保険会社とは独立した組織です。
自賠責の保険会社が支払う金額が、保険会社によってバラバラになるのを避け、公平に支払われ、なおかつ迅速かつ定型的に処理されるために、自賠責保険について自賠責保険会社は、損害保険料率算出機構に損害調査を依頼しています。
1.損害調査する組織の構成
損害保険料率算出機構の中の自賠責保険損害調査センターは、本部、地区本部、自賠責損害調査事務所といった構成になっています。
2.あくまでも損害を調査するだけ
自賠責保険に対する請求を訴訟によって行うとき、本人訴訟で時々損害保険料率算出機構を被告として訴えるケースがありますが、いくら損害保険料率算出機構を訴えたところで自賠責保険の支払を得ることはできません。あくまでも、損害を調査する役割にすぎません。
3.損害調査の流れ
自賠責保険の請求を損害保険会社等の窓口で受付
損害保険会社等は、自賠責損害調査事務所に対して書類送付
自賠責損害調査事務所は自賠責保険の支払基準に基づいて損害調査を行う
特定事案(異議申立事案・高度な専門的知識がいる判断困難な事案・高次脳機能障害に該当する可能性がある事案等)では、自賠責保険審査会において審査
特定事案以外で、自賠責損害調査事務所では判断が困難な事例では、自賠責損害調査事務所上部機関である地区本部・本部で審査
自賠責保険損害調査事務所は、結果を保険会社に連絡するとともに、書類を返還する
結果報告を受けた保険会社は、損害額を決定し被害者に支払う
4.自賠責保険審査会
自賠責保険に対して請求された事案のうち、高度な専門的知識を要求され判断が困難な事案等は、審査の専門性・客観性を確保するために外部の専門家が参加する自賠責保険審査会で審査が行われます。
自賠責保険審査会には、審査の客観性・専門性を確保するために、日本弁護士会が推薦する弁護士・専門医等外部の専門家が参加します。事案の内容によっては、専門分野に分けて審査を行い、有無責等の専門部会や後遺障害の専門部会があります。
5.異議申立
責任の有無や後遺障害の程度等の認定結果について、損害保険料率算出機構の決定に対し不服がある被害者は異議申立ができます。窓口は保険会社です。