自転車事故の交通事故損害賠償請求
自転車が関わる交通事故の相談が多くなっています。ニュースでも高額賠償の裁判の判決が報道されたり、兵庫県では自転車の保険を義務付けようと条例を制定する動きがでています。自動車同士の事故と違って軽く見られがちですが、ひとたび交通事故が起きれば重大な結果につながり、損害額も高額になることが多いのです。
1 当事務所が活動した場合の弁護士費用
(1)弁護士費用特約がある場合
OSAKAベーシック法律事務所の通常事件の着手金・報酬規程で計算します。基本的に依頼者の方のご負担はありません。
弁護士費用特約につきましては弁護士費用特約もご参照ください。
(2)加害者が保険に加入している場合
通常の交通事故事件と同様です。原則後払いになります。
- (保険会社の提示あり)増額分の20%(消費税別)
- (保険会社の提示なし)20万円+10%(消費税別)
(3)加害者が保険に加入していない場合
着手金20万円(受任時)+報酬金(事件終了時に当事務所の一般報酬基準に従う)。消費税は別途頂きます。着手金については事案の難易等を考慮して相談させて頂くことがあります。
(4)法テラスを利用する場合
当事務所は法テラスと民事法律扶助の契約をしていますので、法テラスを利用することも可能です。
(5)加害者側の場合
事案に応じて見積させていただきます。
弁護士費用についてもご参照ください。
2 当事務所が扱った事例の一部
(1)400万円の提示に対し訴訟を提起し1000万円の和解が成立した事例
加害者に既に弁護士が選任されている状態で、当事務所が被害者の方から受任した後も400万の提示額の変更はありませんでしたので、訴訟で解決しました。1.自転車同士の事故であること、2.少年事件であること、3.被害者が救急車で運ばれている間に実供見分が終了してしまった関係で依頼者の主張と異なる実況見分調書が作成されていたこと等が理由で事故態様につき大きく争いになりましたが、最終的には当方主張の事故態様が認められました。
(2)375万円の提示に対し訴訟を提起し1500万円で和解が成立した事例
被害者が歩道を歩行中、進行方向から進行してきた自転車と衝突した事例です。加害者側保険会社から375万円の提示に対し、訴訟を提起しました。過失相殺、逸失利益などが争いになりましたが、1500万円で和解が成立しました。
3 自転車が絡んだ交通事故がもめる理由
自転車がからんだ場合の交通事故紛争が激化する理由は次のとおりです。
(1)過失割合の目安がない(あるいは裁判例が少ない)
別冊判例タイムズ38号『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』に、交通事故の過失割合の目安が記載されていますが、自転車事故については一部の類型しか掲載されていません。そのため、自転車同士の事故では、裁判例の調査が特に重要となります。
(2)加害者が保険に入っていない場合が多い
自転車の保険等に加入する人が増えていますが、まだまだ加入が十分とは言えない状況です。加害者が保険に加入していないのであれば、加害者本人が損害賠償金を負担しなければなりませんが、高額になると資力の点で問題があります。
(3)加害者が少年少女の場合には少年事件となり時間がかかる
自動車でも少年事件はありえますが、自転車の方が少年少女の利用している割合が圧倒的に高くなります。そして、少年事件になりますと、通常の刑事手続きとは異なりますので時間がかかることが多いですし、少年事件で不利になることを恐れて加害者の少年少女(特に保護者)が過失を認めないで、民事でも争ってくることがあります。
(4)自賠責保険の後遺障害認定手続きがない
自賠責保険では、後遺障害の認定手続きがありますので、交通事故によって負った怪我の後遺障害について一定の目安があります。裁判所も、自賠責の後遺障害認定を尊重する傾向がありますので、後遺障害の等級自体の争いにはならないことが多いのです。しかし、自転車が加害者の場合、自賠責の後遺障害認定手続きは使えません。そのため、労災や自分の入っている傷害保険等の認定がなければ、争いになることが多いのです。